自然と拍手が沸き上がる

・「今、皆さん方にご覧いただいている品物が何で出来ているか分かりますか」

・「紙で出来ています」「クラフトテープという紙を使って編まれたカゴやアクセサリーです」

・「これは、私がボランティアで監事を務めさせていただいている、ある障碍者支援NPO法人の、利用者さんが作られたもので、今、見ていただいている一番小さいものは、私が作りました」「不器用な私でも、何とか三時間程度で完成することが出来ました」

・「値札をご覧いただくとおり、このように手の込んだ作品でも2,500円程度で販売されています」

・「収益をあげることを目的としていませんので、それぞれの利用者さんの体調や技量に応じて出来る数も限られています」「手の込んだ作品で約二週間かかるそうです」「健常者にはなかなか理解できないかも知れませんが、障碍を持っている人が集中して作品を作り上げるということは本当にたいへんなことだということを、実際に自分で体験して感じました」

・「このNPO事業所の目的とするものは、いわゆる引きこもりをなくすことです」「限られた時間でも、そこに来てもらうことで自分の居場所があることを実感してもらい、モノづくりをすることで得られる達成感や利用者さん同士のコミュニケーションを図ることで、自分という存在意義を理解してもらうためのものだと私は理解しています」

・「私がお声掛けいただいたきっかけは、ある担当するマンションのお客様からNPO法人の監事さんがご高齢で、この先、続けて行くことが困難となるとの相談を受けたことです」「監事さんがいなければNPO法人そのものの運営が出来なくなってしまうというご相談でした」

・「正直、私は元々、障碍のある方への理解があったわけでもなく、周りの方でもそういうお悩みをおもちの方がいたわけでもありませんでした」「自分に務まるのか不安でしたので『私なんかでいいんですか』と面接の席で理事長にお聞きしました」

・「すると理事長は『あなただからお願いしたいんですよ』とおっしゃってくれました」

・「どこの馬の骨だかも分からないこの私が、初対面の理事長からそのようなお言葉をかけていただいたのは、ひとえに私が元警察官だという安心感と弊社の従業員としての信頼感があるからだと感じました」「改めて県警に在籍させていただいたことや、弊社に採用していただいたご縁に心から感謝を申し上げます」

・「実際のところ、本業が暇ではないため、事業所には、ごくたまにしか顔を出せていませんが、たまに顔を出して利用者さんに声をかけさせていただくと、皆さんとても良い笑顔で接してくれています」

・「ほんの些細な休日の中でやらせていただいていることですが、改めて良いご縁をいただいたことに感謝し、これからも困っている人のために少しでもお役に立てるよう励んで参ります」

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