・本日(前日)、たいへんに恥ずかしい失態を犯してしまった。
・職場の仲間に大迷惑をかけてしまうから、会社に戻ってすぐに上司に報告をし、その後、社長を始め取締役、その他、在籍していた社員に、順次、お詫びした。その後、社内メールで全社員に謝罪文を発信し、注意を促した。
・失くし物をしてしまったのだ。しかも社用車の運転には欠かせない、駐車場の操作キー、給油カードの入ったポシェットだ。どこで失くしたのか全くこころあたりがない。これがなければ、車が使えない。
・ちょっとした注意力で回避できていたことが出来ていなかった。交通事故でいうところの、予見義務と回避義務の欠如で事故を惹起させたのと同じだ。怪我が重いと処罰も重くなる。それが過失犯事件捜査の実務だ。だからこそ、悪田はプロとしてあってはならぬ失態を犯してしまった。駐車場操作キーとカードの再発行がなされるまでの間、仲間に多大なる迷惑をかけてしまう責任を痛感した。
・この失態は、仕事で挽回することと、これからは人の悪口を言わないことを誓い、お詫び文をメールで全社員に発信させていただいた。約一時間後、休日であった直属の上司から返信をいただいた。赤裸々な事実を公表したことに対する励ましのメッセージだった。
・このやさしさがかえって重くのしかかる。
・今日は、そのミスもあってか、ルーティンワークがボロボロだった。完全に思考停止状態だった。折しも、休みも取れず疲労がたまっているせいか、はたまた年のせいか、すっかり精彩を欠いた一日だった。
・すると、ある同僚から「悪田さん、今日はさんりんぼうだからですよ」との言葉をいただいた。むむむ・・・。恥ずかしながら、実は言葉の意味を知らなかった。さっそく、ネット情報に触れてみると、なるほど、その意味が理解出来た。
・「さんりんぼう」は「三隣亡」あるいは「三輪宝」と書くらしく、特に建築の世界では大凶日とされているそうだ。棟上げや土起こしなどは、さんりんぼうでは絶対にやってはいけない日だそうだ。
・また、ある地方によっては、さんりんぼうの日に贈答品をもらうと「隣三軒が火事になる」「贈られた側に不運が訪れ、逆に送り主に幸運が訪れる」という迷信もあるそうだ。
・意図して行えば、これはまさに先程、悪田が誓った「今後、人の悪口は言いません」の所業に繋がる。人の悪口は巡り巡って自分に降りかかる。さんりんぼうの日を意識して贈答品を差し上げる行為には、実は末恐ろしい悪意が込められているかも知れないと考えると、悪田はそこに不可思議な人間心理の複雑さを感じた。
・そういえば、昔、悪田の大先輩のベテラン刑事も、そういう迷信を気にしていたなぁと感慨深げに思いを巡らせた。例えば「刑事部屋に切り花を置くな」「鉢植えの花もだめ」「お湯割りはダメ」「急須に蓋をしないで茶を入れるな」「湯呑の茶渋を落とすな」などなど言われたものだ。これらもすべて、相手ありきのことだ。特に刑事の世界では流儀と伝統を重んじる。相手に対し仁義をもって誠実を尽くすことを是とする義理と人情の世界だ。人の嫌がること、人の道に反することはご法度であり、人の機微に触れることの重要性を先輩から後輩へ伝える徒弟制度でなりたっている。
・さらに考えてみたら、今日(昨日)は水曜日だ。㈱億山も登記の目的では、以前の不動産業を維持しているから、本来、水曜日は安息日だ。不動産屋が水曜日を休みとされている理由は諸説あるが「契約が水に流れる」という捉え方から、縁起が悪いとされている。
・まあ、悪田もここんところ休んでいないから、疲労の蓄積とともに、失敗が重なることも無理はないのかも知れない。やはり休みは大切だ。
・社長に謝罪した後、今日の事務整理していたら、あるスイーツ繋がりの大先輩(女性スタッフ)から、嬉しい甘物の差し入れをいただいた。今日の悪田の失敗をワハハと笑ってくれた。
・先輩「ねぇねぇこの間の試験って何よ」
・悪田「火災保険募集人の試験ですよ」「全く勉強せずに受けたから厳しいかも知れませんね」
・先輩「朝早く出て仕事しているから、受かる訳ないじゃんワハハ。冷蔵庫に入れておいたから食べてね」普段は仕事に厳しい方だが、その中にも温かさを感じた。
・はてさて先輩、今日は「さんりんぼう」ですぞ。「もしかして、その甘物には呪いが込められているのでは」などと考えていたら、それもまた人生かと笑いが込み上げてきた。
失態犯しましたかー!
良い事ですねぇ!って本人にとっちゃー大問題なんでしょうが…
失敗して学ぶものは多かったのではないでしょうか?
失敗しない人ほど成長はないと思います!
っていいながら失敗ばっかで成長も出来ないのがここにいますが(笑)
温かい方達に囲まれて仕事出来るのって幸せですね!
頑張れ!悪田!!