教習所その⑨山形県置賜郡のマズラーを尋ねて

【もう揚げ物はコリゴリです】

・教習所宿舎や教習所食堂のごはんは確かに美味しい。HPの動画でも口コミでもそのように紹介されています。確かに美味しいです。

・ですが、50歳をゆうに超えた悪田にとって、連日の揚げ物は、正直、しんどいです。胃がもたれます。「うそ」と思われるかも知れませんが、日々のメニューを通して俯瞰しますと、朝・昼・晩、すべてのおかずに、一品は必ず揚げ物が含まれています。

・若い人にとっては嬉しいでしょうねぇ笑。

・食べ物に贅沢を言わない悪田としては、このような駄文は避けたいところですが、さすがに、こう毎食、揚げ物が続くと「たまには違うものが食べたい」という気持ちになります。

・いつも美味しいものばかり食べていると、正直、質素なものや、不味いものが、無性に食べたくなります。

・ちなみに、悪田の大好物である納豆は一度も出たことがありません。これは、実に不思議でした。もしかすると、納豆が嫌いな人への配慮でしょうか。また、パン食もありません。調理パンに牛乳、ヨーグルト、バナナ程度のもので、朝食は十分だと思うのですが、これも、育ち盛りの若者に対する配慮なのか、はたまた「米どころ山形県」のプライドなのかは謎です。

【自問自答の末、マズラー巡りへ】

・ここのところ、ラーメンなる食べ物におめにかかっておりません。教習所の食堂で、日替わりの定食で「ラーメン」というものもあるにはあります。ですが、出来れば、ラーメンの美味い・不味いは専門店で食べた感想を述べたいものです。食堂で、たまたまチョイスしたラーメンに関して、うんちくを並べるのは、ラーメン道に反していると思われます。

・ということで、宿舎の近所にあるラーメン店を巡ることにしました。以前にも書きましたとおり、宿舎のあるJR山形線高畠駅の周辺には、およそ「娯楽」と名のつくお店は、ほぼほぼ、ありません。ですが、不思議と国道13号線を中心とした街道沿いには、多くのラーメン店がひしめきあっています。

・「これは、隠れた名店があるに違いない」と悪田は感じました。ちなみに、悪田の言う名店とは「不味い」ラーメンを提供する専門店を言います。

・その意とするのは「そもそもラーメンなる食べ物が健康に良い筈がない」という前提において、化学調味料をふんだんに使用した「ガツン」と来るインパクトがあること。市販麺に代表される歯ごたえもコシのない麺が時間の経過で、どんどんのびて、ふやけていく悲哀などなど・・・いわゆる「下卑た料理」と評価されるに相応しい体裁が整っていることが、逆に美学である。

【さっそく一店目へ潜入】

・今回、事前に目をつけた店は3店舗。一日ですべてを巡るのは困難かとも思われましたか、まずは、宿舎から一番近いA店へ。

・店構えは、元々、コンビニであったかのような作りで、それなりに古さを感じました。店内は、キッチンが奥にあり、いわゆる「郊外型の台湾料理専門店」のような雰囲気でした。

・メニューを見ますと、ここのおお店の売りが「辛みそ」であることが窺えます。

・「山形からみそ」と書かれています。某テレビ番組でも紹介されたという触れ込みであるこから、山形県の隠れた名物料理である期待が高まりました。そこで悪田は「からみそラーメン」を注文することにしました。

・店員さんに辛みそラーメンを注文すると「味は?」と尋ねられました。「からみそなのだから、味噌なのでは?」と思いましたが、味噌・塩・醤油の中から味噌をチョイスしました。

・ほどなく出てきたのがこれです。特徴的なのは、細切りの「きくらげ」です。

それに、なるとの入っている昔ながらのラーメンというのは、懐かしいなぁと感じました。辛みそはトッピングで玉になって入っているんですね。

・さっそく、悪田の嫌いな「れんげ」をよけて、スープを一口すすってみますと、化学調味料たっぷりの魚介系の風味が漂ってきました。辛みそを溶かすと、ピリ辛感がちょうどいい感じでした。

・このラーメンは、いい感じで不味いです。気に入りました。味付けは、やや濃いめですが、きくらげのシャキシャキした歯ごたえが楽しいてす。麺はいわゆる市販の細ちぢれ麺、素人でも簡単に作れる、時間の経過とともにスープを吸ってプヨプヨになってしまうアレです。

・何が良いという訳でも、逆に悪いということもないのですが、普通に合格点です。悪田的には、普通に不味いと感じる納得の出来る味でした。

【闘争心に火がついた】

・続いて悪田は、A店から道路距離で約1.5キロ離れたB店を歩いて目指しました。

・B店に関しては、地元誌にも名店として紹介されておりました。果たして、どれほどの味なのかを確かめたく、国道沿いを北上しました。周囲には、稲を植えたばかりの田んぼが広がり、カエルがゲコゲコ鳴いています。ほどなくお店が見えてきました。ところがっ

「売切れ御免」の看板が・・・。やはり、ここは地元でも有名な店なのでしょう。自信たっぷり感を感じました。日を改めることにします。

【さらに闘争心に火がついた】

・悪田はもう一店、気になっていた店があり、国道を再び南下しました。そして、先程のA店の先にあるC店をめざしました。

・陽もすっかり暮れてきたところで、C店が見えてきました。外観は、家族向けのラーメン専門店のようなたたずまいでした。

・店内では、地元の男性4人組が盛り上がっていました。お店は年配のご夫婦がきりもりしている、長年、ここで経営を続けられてきた雰囲気が感じられました。

・男性4人組は、奥の座敷で楽しそうでしたが、おかみさんに中華料理をいろいろと注文したことに、やや憤慨されていました。「うちはラーメン屋だよ」と、ややお怒りモードでした。一方、ご主人は、寡黙を貫いておられましたが、顔は怒っていました。悪田は「これは期待出来るぞ」と心が躍りました。

・メニューを吟味しながら、悩んだ挙句、五目ラーメンを注文しました。

・普通のタンメンに味玉とチャーシュー、それにワカメが入った塩味の一杯てした。味はやや薄め、チャーシューと味玉は濃い味がつけられていました。

・特筆すべきは、脇のたくあん二枚。いったい、このたくあんは何を意味するのか。店主からのサービスなのか、はたまた全体的に薄味をカバーするためのアイテムなのか。まあ、悪くはありませんでした。

・この麺も、いわゆる市販の細ちぢれ麺、野菜がたっぷりの割には、スープに、ややうまみを感じない。ご主人の機嫌が悪いせいでしようか。悪田のここでの評価は「普通に不味い」をつけさせていただきました。

・立て続けに二杯をいただいたことで満足感が満たされました。やはり「ラーメンは不味いに限る」と再認識させられました。

 

 

 

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