・悪田がお手伝いをさせていただいているマンションの1階部分天井から漏水があるとの相談が寄せられた。排水縦管の2階貫通部直近からの漏水で、外観目視では原因は分からなかった。
・同排水管系統では、その僅か数ヶ月前に3階から2階への漏水事案があり、管理組合から某施工会社に修繕の依頼がなされた。施工会社による現調の結果、漏水原因は、いわゆる「トミジ管」と呼ばれる共用部排水縦管の老朽化による損傷が原因と判明した。
・そこで、管理者から工事会社による発注か行われ、修繕工事の結果、2階~3階への漏水は収まった。だが、同排水管系統の直下付近である2階~1階の漏水は収まらない。もちろん、工事の発注承認は管理者の独断で、当時、総会決議はおろか理事会の承認もなかった。
・しかも、2階居住者によると、上階からの漏水改善を前管理者に依頼した際、同所の直下でも漏水が発生しているから、改善をお願いすべく、管理者に依頼したとのこと。
・そこが、管理者から施工業者に伝わったかは謎のまま。普通に考えれば、同一排水系統で不具合が発生しているのだから、一緒に工事をやってしまえば、お互いにメリットがある。では何故、同一系統の排水管修繕工事を請負うのに、そこを見なかったのか?前管理者から詳細な説明を貰えなかったので判然としなかった。
・漏水事案というものは、実に厄介で、水は上から下に流れるから、ポタポタと水が垂れてくれば、たいていは上から下に落ちているのは分かる。だが、その原因を突き止めようとすると、これがたいへんで、原因が簡単に分かるものもあれば、調査を尽くしても分からないものもある。そこはまさに、業者の腕の見せ所だから、腕の良い業者は客の信頼に応えることにも長けている。
・また、同マンションは築年数もあってか、例えば排水立管からの漏水事案ともなると、そろそろ、全数の入替えを考えなければならない時期でもある。だからこそ、建物全体の老朽化が進んでいることを踏まえ、改修した箇所と同一系統で、さらに漏水が続いているのを食い止めるべく、まずは、目下の漏水を解消しようと考えた。
・組合としては、なるべく費用を抑えつつ、相見積を取得し、信頼のある業者に発注しようとの意見がまとまった。施工業者には、理事会から見積りを取得すること。悪田の協力会社からも、同時に相見積を取得することで理事会の協議がまとまった。だが、ここで、思わぬトラブルが発生した。
・施工業者からは、相見積の取得を拒否された。理由は、施工に瑕疵はないからとのこと。施工に瑕疵はないから、対応した箇所以外からの漏水は「自分たちの管轄外」だと主張された。もちろん、2階から1階への漏水など聞いていないとの主張。百歩譲って、見積りを取得するのとすれば、まったくの別工事としての見積りになるとのこと。施工業者とすれば、依頼された工事を責任を尽くして遂げたのだから、関連する工事と絡めて、新たに見積りを依頼されるのは、自分たちの不備を認めることと同じだからお断りだとのこと。
・いっぽう、悪田の協力業者側からは、思わぬアドバイスが寄せられた。