社会とのかかわりを持つことについて

・元警察官である悪田権三は「勧奨退職」という制度を利用させていただき、後進に道を譲った。

・当時、警察官として仕事をやり切ったという感慨深さの中で、多くの仲間から送り出していただき、警察官として最高の栄誉と呼ばれる「警察功績章」をいただいた。

・「警察功績章」のさらに上位格には「警察勲功章」「警察功労章」といった賞があるが、これらは通常、殉職者やオリンピックで金メダル獲得といった抜群の功労者に与えられるもので、柔道・剣道初段の悪田には縁遠い。

・ただ、悪田が、いくら立派な賞を貰って辞めたと吹聴したところで、いくら、俺は立派な警察官だったと自画自賛しても、その実態を知らない市民にとっては、どこかうさん臭い。

・「上司にゴマすって貰ったんじゃないの?」「悪田だから、悪さして辞めたんじゃないの?」と疑われても致し方ない。今更ながら、ペンネームを「胡麻須利緒」にしておけば良かったと反省している笑

・ところで、悪田権三が行きつけの某居酒屋に、ある日「一見さん」で出没した、初対面の壮年ダンディーと話しているうちに、実はその方が、かつて平塚市役所の総務部長だったことを窺い、悪田は卒倒しかけた記憶がよみがえる。

・中学を卒業し、戦争を経験し、焼け野原の復興の中で、最初は非常勤で採用されたそうだ。ご案内のとおり、平塚市内には多くの軍需工場があった関係もあり、大戦中、アメリカから集中砲火があったとの史実が語り継がれている。

・その焼け野原の中で、往年の「居酒屋一見タンディー」は志高く、街の復興に貢献し、市職員として正式に採用された後は、さらに市民のために心血を注ぎ、経歴のとおりの役職まで上り詰めたのだそうだ。

・今は、奥様に先立たれ、たまに、こうして一人、外で夕飯を食べながら、しみじみ・まったりと過ごす時間を大切にしているとのことである。

・お役所仕事というものは、どの職場でも共通しているようで、まず、首長が、次いでバッジが、不随してキャリア官僚が、さらに太鼓持ちや腰巾着が、末端に下っ端が偉そうに振舞っていると成立する。

・実に分かりやすい構成なのだが、部署としては「総務」「財政」「企画」という人事の主要部門を中心に人事構成し、それ以外は単なる「人工(にんく)」と見なしている。

・警察で言えば「総務部」「警務部」「警備部」が取り仕切っている。

・往年のドラマ「〇島巡査部長」役で主演を演じていた切れ長の役者が「事件は会議室で起こっているんじやない」とほざいて冷や飯を食わされたようだが、彼が仮に警視総監だったら、レイ〇ボーブリッ〇はおろか、都内の全ての橋を封鎖するという無茶なことをしでかしたかも知れないので、改めて、彼が巡査部長であることに安堵した都民も多いと思う。

・話を戻す。

・壮年のダンディーが言うには、現職当時、人事に不満を抱いて辞めた職員とは、これで縁が途切れる。その後、続いたためしはない。とのことである。悪田にとっては、実に含蓄のある言葉であった。

・本題に入る。

・あるNPO法人が運営する事業所に勤務する職員を経由して、悪田は、この法人の「監事」にならないかとのオファーをいただいた。

・監事というは、法人を監査する要職である。果たして現職当時、上司にゴマばかりすって警部の階級まで上り詰めた悪田に務まるのか。

・恥ずかしながらNPO法人というと、かつて、神奈川県警通信指令課と捜査第二課の職員には馴染みの、有名なクレーマーのNPO法人代表を語るトラブルメーカーがいて、こやつを、仮に「T女」と呼ぶと、NPO法人のイメージとして、悪田は、これしか思い浮かばなかった。

・このため、この話をいただいた時に、まず「T女」を思い浮かべ、まさか代表はあれじやないだろうなぁ、と不安を抱いた。

・ちなみに「T女」は、ある日、生活保護費の不正受給で県警に逮捕され、その後、起訴されたとの噂を耳にしたが、それ以降の息災は途切れ、今でも県警に日夜、クレームの電話を入れているのか、多少、気になるところである。

・脱線し続け申し訳ない。

・本日、面接の機会を与えてくれた某NPO法人代表理事は「T女」ではなかった。

・御年80を過ぎているという、穏健派の男性であった。このNPO法人は障碍者の社会復帰を支援するための組織で、県内にいつくかの事業所を持っているとのことであった。

・代表理事は、面接の結果、悪田を「監事」として採用したいと話してくれた。こんな阿呆で良いのかと思いつつ、この議案を、次回の役員会に上程し、協議したうえ正式に返答してくれると約束してくれた。

・週に一回でも、出てくれれば報酬を支払うことが可能だとの説明を受けた。

・が「心の通う管理」をモットーに掲げる「理不尽を商材」とするブラック企業に勤める悪田としては、再び過労とストレスでメニエル病を発症するのを恐れ、やんわりと、その提案を固辞した。

・悪田が、このNPOの監事に就任することを快諾した理由は、無報酬であることと、利害関係のないことである。

・悪田自身は、障碍者との協働を想定しつつ、本ブログのサブタイトルのとおり「小規模マンションの自主管理を支援」している。

・だからこそ、マンション管理の主要な業務となる管理員業務の諸般の問題を切り開く活路が、そこに見いだせるのではないかとの期待感がある。

・だからこそ、まずは、自分自身が障碍者支援や社会復帰という実務を知り、自ら体現して学ぶことが必要だと考えている。幸いなことに、同NPOは、悪田が出勤してくれた時の交通費は全額支給してくれると約束してくれた。それだけでも悪田にとってはありがたいことこの上ない。

・日当など必要ないし、役員報酬などゼロであればかえって気楽だから、本望だ。報酬ゼロでも善管義務(善良な管理者の義務)を果たして行こうとを心に誓った。

・この日、たまたま、ある男性利用者さんがいて、初対面の悪田に笑いながら「おせんべい」一枚を差し入れてくれた。

・代表理事によれば、その利用者さんは、元公務員で非常に高い潜在能力を有しているそうだ。

・これを目の当たりにして、温かみのある名刺交換だと感じた。と同時に悪田は、警察官を辞めたことで得られる、新たな活路をここに見出した。

社会とのかかわりを持つことについて” への2件のフィードバック

  1. 悪田さんこんばんは。
    昨日はお休みの日にご足労いただきありがとうございました。
    一方的なお話にも関わらず真摯にお聞きいただけ理事長も安堵の表情を浮かべていらっしゃいました。
    実は理事長、悪田さんにお会いする前に他の事業所の職員と一悶着あり、少しイライラしておりました(笑)
    現在、当法人は理事長が会計、事務全てを担っておりご自身も高齢となり後継者をと声をかけるもNPOの理事役員を引き受けてくれるかたもおらず頭を抱えておりました。そんな中、私に誰かいい人いないかね?とお声をいただき
    ふっ。と顔が浮かんだのが悪田さん(笑)何故?悪田さん?無理だよね…なぁんて思いながら…でも悪田さんが頭から離れずお話しさせていただいたら結構いい反応!
    悪田さんよく「私なんかが」と仰りますが「なんか」ではありません。悪田さんだからお声を掛けさせていただきました。
    この先、たくさんお世話になる事があると思います。末永くよろしくお願い致します。
    そして監事という役割を引き受けていただき、誠にありがとうございます。感謝です。

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