祝 億トレに彼女が出来た

・新型コロナの緊急事態宣言が明け、久しぶりに近所の居酒屋に顔を出した。

・ある常連さんが、ご夫婦で訪れたので、他愛もない世間話をしていたら、株の話になつた。ご主人がけっこうやられているようで、この時期の一般的な値動きや、今後の展開について教えていただいた。

・ふとそこで、悪田の飲み仲間で年間2億円の儲けを出しているという、ある人物が浮かんだ。早速、連絡を取ると、あいにく今日は不都合とのことだった。残念だ。が、しかし、嬉しいニュースが飛び込んできた。最近、彼女が出来たそうだ。

・「後で写真を送るね」と、ほどなく届いた写真を見て、悪田は卒倒しそうになった。どう見ても20代後半の若い娘。しかも芸能人並みの美人。何でも東京で化粧品会社を経営しているという。

・「すごいね〇〇ちゃん、どこで見つけたのよ」と尋ねると、出会いのきっかけは、知り合いからの紹介だったそうだ。しかし、年の差。ざっと推測する限り、40歳くらいの差はあろうか。それでも、嬉しそうに彼女が出来たことを語る飲み仲間の幸せにエールを送った。

・人にはいろいろと事情がある。よく、北海道の土産物屋で「訳あり」として売られているカニのようだ。足が一本ないとか、傷ものだとか。タラバガニではなくアブラガニだとか、安いには安いなりの事情がある。

・だが、世の中に「訳あり」ではない事情が存在しないことはむしろ少ない。そもそも、完璧な人間など存在しないし、人には長所も短所もあるからこそ、それが楽しい。

・年収2億円の株式トレーダーである悪田の飲み仲間も、ちょっと前までは、ある観光地の駐車場で交通整理のアルバイトをしていた。その理由を尋ねると「家に引きこもっていることが退屈だったから」だそうだ。いかにもその人らしい。

・慣れない仕事の中で、若いバイトのあんちゃんに怒鳴りつけられながら、炎天下の中、真っ黒に日焼けしてたどたどしく、交通整理に従事している65歳を過ぎた人生の大ベテランが奮闘する姿に思いを巡られた。

・傍目には、この年になって、こんな過酷なアルバイトをやる姿を「訳あり」と捉えるかも知れないが、実は、単なる退屈しのぎであったりする。年収2億円の株式トレーダーの道楽であることは、本人以外には分からないことだ。

・それにしても、彼女となったその女性が、20代で経営者として大成した秘訣を、機会があれば、今度、是非、窺ってみたい。と終日、降りつづく雨の中で体を休めながら考えた。ここんところ休みなく無理を続けたせいか、不思議と寝ても寝ても寝られる。年のせいか、口だけは達者だが、若いころに比べ体力的な回復力は明らかに衰えてきた。

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