・「こころの通う管理」で働く悪田権三は、ほどなく、デビュー1年半を迎える。
・相も変わらず、気が向いた時には午前6時前に出勤し、適当に時間を過ごしながら余生を楽しんでいる。不満を口にするとキリがないが、日々、多くを経験しながら、良い改善案を模索し、下らないことを口にして「ガハハ」と笑って過ごしている。周囲に対し「オレには何も悩みがないわ」のような態度を示し、明るく接していると、不思議と賛同してくれる仲間が集う。
・適当に愚痴をこぼし、共用部火災保険の更新に悩みながら「保険の陰口(^^♪」などとダジャレを口にして、会社の経営体質をソフトに批判し、毒にも薬にもならない立ち位置をキープして、それでいて全力で死ぬ気で頑張ったフリをして過ごしている。
・先日、悪田が紛失した「ポシェット」が発見された。中に当社取締役名義のクレジットカードが入っていて、警察からカード会社、カード会社から弊社に連絡があった。確認のため悪田が警察に電話すると、間違いなく悪田が紛失したものと同じだった。
・警察(交番)に届けてくれた善良な拾得者がおられたおかげだ。受理してくださった警察官(交番相談員さん)が品物を確認し、警察署の会計課に引継いでくれる。そして、拾得物の担当者さんがカード会社に連絡を入れてくれた。ざっくりとこのような流れになる。関係各位への感謝に尽くせない。この場を借りてお礼を言いたい。
・物を紛失するということは、運気が悪いものとされている。年始に神社でひいた、一回100円のおみくじにそう書いてあった。そのおみくじには、警察署から紛失したモノが見つかった連絡があった時は「大吉」とは書かれていなかった。だが、紛失が「凶」で発見が「吉」であることは論を待たない。発見の報告を社長にしたところ、手を叩いて喜んでくれた。
・この部分だけを見ると、なくし物が見つかるということは滅多にない幸運である。思わず井上〇水の「探し物」の歌を思い出した。悪田の運気は向上している。
・先日、知り合いからの勧めがあり、少額投資非課税制度利用して株を購入してみた。購入した株は、またたくまに値下がりしたかと思うと、今度は好転し始めた。その知り合いは年間に2億円ほど利益を上げているそうだが、まずは少額投資から始めることを悪田にオススメし、ギャンブルの世界へといざなった。
・さらに、同じタイミングで、以前に㈱億山名義の売地の媒介をやらせていた、知り合いの不動産会社を経由して別の不動産業者から問い合わせが入った。折しも客付けをしてくれた不動産業者の社長も、悪田が良く知っている人物だ。
・さっそく、客付けをしてくれた先方の社長にお礼の電話を入れた。
・契約が成立したわけではないから、まだ喜んではいない。むしろ、媒介業者の対応には、正直、いささかの不満を感じている。だが、これもビジネスライクだ。売買という目的を達成するためには、善人である必要はない。逆に敵対する必要もない。条件が良くなければ、悪田が考えた条件を前提として媒介依頼するしかない。
・アメリカの好景気を背景とした「ウッドショック」と呼ばれる現象と、半導体不足による、電子機器不足が深刻化して、ここのところ家を建てられない状況が続いていた。何でもそうだが、品薄になると、モノの値段は高騰し、粗悪品が横行するようになる。ことだから、家を建てる時は、経済も社会情勢も物価も安定している時の方が良い。
・世の中には、プロのトレーダーがいるから、株取引は運では決まらない。ただ、ご縁がある銘柄を購入し、その後、売却してご縁が切れることが繰り返されるから、運気とご縁とは切っても切り離せない関係性にある。
・ましてやビジネスの世界において、ご縁は非常に重要な動機付けとなる。
・「こころの通う管理」で、間もなく1年半を迎える悪田の周囲では、離職者が後を絶たない。ざっと数えるだけで、これで6人目だ。仕事はきつく、給料は安く、インセンティブは取れず、理不尽は当たり前なことが原因だろうか。毎朝、スズメが「チュンチュン」鳴く前に出社し、しょっちゅう会社に泊まりこんで働いている頭のイカれた社員もいる。
・長時間労働で体調を崩し、出社不能となっている社員もいる。こんなキチガイ連中と一緒に働いていたら、自分も体を壊してしまうと考えたのかも知れない。人にはいろいろと事情があるから、このあたりを詮索するつもりは悪田にはない。
・ただ、これまでに辞めて行かれた6人の方に共通して感じられるのは、皆さん、悶々とした雰囲気を背負ったまま旅立たれた。
・株で言うところの大きな損失が出たような空気感、あるいは、おみくじで言うところの大凶を引き当てた時の悲壮感、とにかく、先の見えない不安を抱えたまま、去られて行く方ばかりだった。
・運気も株価も、今日は良くなくとも、そのうち改善するし好転もする。そもそも、証券取引所の年間取引額は、国の予算の7倍にもなる、年間7兆円だ。人は人生が続く限り良い時も良くない時もある。株も同じ、続けていれば良い時も悪い時もあるが、取引所がなくなることは決してない。
・明日のことなど誰にも分からない。昨日を振り返っても昨日には戻れない。それが時間軸という時の流れであり、人生そのものだ。仕事を決めることも転職することも、現役を退くことも全ては自分次第だ。
・なにごとも終止符を打つか、続けるかどうかは、結局は自分でしかないが、負けたままで終わらせることは悔しいから、好転するチャンスを掴みたい。