・現代社会は、緻密な構造で構成されている。特に過去の失敗といった教訓から学ぶことは多い。人は誰でも多かれ少なかれ失敗する生き物だから、まずは原理原則に従い過ちを正し、修正し、教養に生かし、これを他山の石として共有することが肝心だ。
・政治家だって、裁判官だって、検察官だって、弁護士だって、医師だって・・・賢い頭脳を持った人でさえ過ちを犯すのから、そういう場面に遭遇した時は誰しも起こりえることと考えれば良い。
・特に他人の失敗からは多くを学ぶことが出来る。教訓を生かすという意味ではなるべく多くのトモダチを作って、他人の失敗から学ぶチャンスを得る努力が必要だ。だからこそ、人と接している時は、常にニコニコと微笑ましく、職場でも、たまにジョークを飛ばし、お客さんの前でも失敗談を語り、親和性を持って接することで一体感が広がる。
・管理会社のフロントマンは、お客様である区分所有者にとっては、日々、顧客目線よりも、かなり低い位置に置かれがち。しかし、管理組合には理事会という執行機関があることで、理事役員さんの悩みどころに深く関与する機会を与えられる。所詮は他人事ではあるものの、その悩みを汲み取り、歩み寄り、時に強く当たられ、力強く抱きしめ、微に入り細を穿つことで信頼関係が形成されていくこともある。
・悪田もこの業界に飛び込んで、まだ日は浅いが、一回目のいわゆる引継理事会で「おい、てめぇ悪田、こら、なめてんのか」などと、ある理事長から口汚く唸り飛ばされたことがある。が、しかし、それにはそれなりの理由があることを、自分の中で理解し、それらを自分の懐に入れて持ち帰り、どのようにすれば、その負託に応えられるかを考え、客のニーズを理解し、時に忖度し、意見を交わし、難局を前向きな姿勢で進めて行くことで融和されていく術を学んだ。
・特に意識の高いお客様から学ぶことが多い。超、めんどくさいことではあるが、その分、学ぶことは多い。そこに、客商売の楽しさがあり、客に鍛えられることで自分自身が向上するきっかけとなれれば、その相手もそれをきっと喜んでくれるだろう。
・さて、警察官もマンション管理会社のフロントマンと同様、ストレスのたまる仕事なので、出口の見えないトンネルの中に置かれて孤立すると、心身に不調を来してしまうことがある。警察官の仕事、あるいは警察職員の仕事もチームプレーで動いているから、その仲間が出勤出来なくなってしまうと、誰かがその穴を埋めなければならなくなる。
・特に警察官よりも、警察職員にそういう傾向が強いのだが、担当業務がすっかり細分化し、完全分業化されすぎてしまって、担当者以外に関与出来ない状態になっていることが多い。平常時において、きちんとそれなりに全体的に業務がきちんと回っている時はそれでいい。しかし、ある時、その担当者が出勤出来なくなるような事態に陥ると状況は一変する。
・誰にも分からない仕事だ。特に皆、自分には関係ないと思っている。ただ、実際に業務は回らないし、負の連鎖が始まって来ると皆が困ってしまう。だから、部下が倒れないように、常日頃から、必要なフォローをし、どこかにその前兆が見えてきたら、完全におかしくなって出勤出来なくなる前に手当てをすることが重要だ。
・このあたりは、警察職員だけの話ではなく、広く、世間一般でも同じことが言える。担当者が出勤不能になるくらいのダメージは、リカバリーに物凄いエネルギーを要す。短期間で復帰出来ることが見込めるのであれば「ここは堪えどころ」と我慢も出来ようが、長期となってしまうと、今後の運用面を含めチーム全体が一丸となった今後の対処を、じっくりと見据えて行かないとチーム全体が総崩れしてしまうことにもなりかねない。
・悪田の会社に勤める、別のセクションの、あるスタッフが、体調不良を来してしまったようで、どうやら、早期の復帰は困難な様子が感じられる。原因は分からないし、それをとやかく意見する立場にないから、伏せておくが、やや、よろしくない事態になっていることが窺える。
・今は、そんなことを言っていられる状態ではないから、社長が皆の前で主要な幹部に指示を出した。「お客様のためにも、不在の穴をフォローしなさい」と。至極、当然な指示であり、指示を受けたある幹部が「はい、分かりました」と答えフォローに回っている。
・今日、土曜日にこのネタを書いている。そもそも、この指示が社長から出されたのは月曜日だ。木曜日までは特段、あわただしい動きは感じられなかったが、昨日、金曜日になって「分かりました」と答えた、その幹部が、尻に火がついたように熱を帯びているよう感じられる。
・本人は口にしないが、そういう雰囲気がビシビシと感じられる。見かねた別の幹部が、フリーで動かせる新人を、そのフォローに充てた。尻に火がついているであろう幹部はポーカーフェイスを崩さないが、相当に不安を感じているように見てとれる。
・そもそも。体調不良で出勤出来なくなった社員は、約7ヵ月前に配置換えとなり、初めてフロント業務に従事することとなった。毎晩毎晩、深夜まで働いていた姿を間接的に悪田も見ていたので、体調不良の原因がここにあることは推察される。
・対して現在、尻に火がついている幹部は、同じチームのリーダーとして、常にその社員のそばについていたが、悪田が見る限り、毎晩毎晩、遅くまで残っていた様子は感じられなかった。むしろ、日々、業務に余裕のある様子が感じられ、機会あるごとにミーティングを開催し、部下に必要な指示を与えていた。
・当社の幹部をことさらに批判するつもりはないが、今回の事案は、組織体制の脆弱性が露呈してしまった、大いに反省すべき教訓材料として生かして行く必要があると考える。会社全体が危機管理意識を欠いているからだ。
・どんな仕事でも、特に主要業務は、一人の担当者任せにしてはいけない。また、部下の兆候と顔色を常に把握し、常に健全に溌剌と健康的に過ごせる環境を作るために腐心すべきことを全体での目標とする必要がある。
・その結果が出るまでには、ある程度の時間を要すと思うが、今時、この働き方改革の時代の中で「長時間勤務」などという、悪しき慣例がまかり通っていることを、そもそも反省すべきだと考える。
・客が、当社の内情を知れば、それ自体に不信感を感じるきっかけとなる。