・特別に怒っているわけではない。
・しかし、どんな社会にいても、出来ないヤツほど、能力のないヤツほど、本来、やるべきことをやらないヤツほどよくホザク。
・今日、あるマンションの決算理事会の準備のため、通常総会提出用の長期修繕計画書(長計)を見ていたら、前任者は4年間、まったく、手を入れていなかった。それで、悪田が「これ、計画のいくつかの案のうち、その一つが来年度に㎡あたり20円増額する案が提示されているんですが、そういう計画は組合員さんに周知されているんですか」と尋ねたら。そんなことは全くないことが分かった。
・しかし、現行のままの計画で推移した際に、資金計画上では50年目に、とっくのとうさん的に、完全に資金シートすることになっている計画。果たして、この資金計画は、前任者の担当期間中に、組合員に周知されていたのかと確認した。すると、資金の「シ」の字も出ていないとのこと。
・しかも「〇〇次長に聞き、計画の見直しをした方がいい」とか「長計は5年ごとの見直しだから、まだ4年しかたっていない」などと、まあまあ、いっちょまえに、よ~ホザいている訳だ。
・前々から理解していたものの、つくずく、長くフロント業をやっているだけの無能な三流選手だと感じた。こういうカスみたいのからは何も学ぶべきことがないと分かっていたから「ハイハイ」と流して対話を閉じた。こいつとは話しても無駄。無駄な時間を費やすだけ悪田のストレスになる。
・ある新人が警察官からの電話を取っていた。悪田は前々から、新人に「電話を取ることがすなわち、勉強であり、訓練だ」と伝えていたので、聞かれるまで、あえて静観していた。すると電話口でその新人は、警察官に「事故の痕跡との結びつきが解明出来なくなるから待っていて欲しい。これから担当者と連絡を取って行かせる段取りをする」などと、いっちょまえにホザいてた。
・そして、新人は電話を切ると、悪田に「ちょっと質問して良いでしょうか」と聞く。要件を聞くと、あるマンションで単独の接触物件事故(トラックとフェンス)があり、警察官が処理をしている。けが人はないが、本日、管理員は休み。物件担当は外出中の上司。上司に連絡をとって処理方法を確認して良いかとの質問。
・もちろん、それ以上もそれ以下もない。管理員がいないのなら、物件担当者が行くしかない。しかし、先程の電話でのやりとりでは、担当者が行くまで警察官を現場で待たせるような口ぶりだったが、けが人もいないような軽微な接触事故の様子だ。
・そのような状況で、管理会社が行くまでの間、警察官を現場で待たせたのであれば、それはあまりにも警察官が気の毒ではないか。事故の当事者にしても、きちんと警察に事故の申告をして、管理会社にも報告を入れてきたのだから、このあたりの諸事情を汲んで対処すべき方法はあろう。
・新人は物件の担当者の上司に連絡を取っていた。ところが、報告の内容が何だかおかしい。「悪田さんにこれとこれをやってもらいます。はい分かりました。悪田さんにそう言います。」
・「はあ?俺の担当物件での事故?違うだろ?」電話を終えると新人は悪田にこう言った。
・「悪田さん、すみませんが、上司が以後の処理は悪田さんに聞いて対処するように言われましたのでお願いします」
・悪田「はぁ?その物件って誰が担当なのよ?」すると新人がこう言った。
・新人「私が将来、担当するように言われています」
・悪田は、一瞬、「ぶっとばしてやろうか」と思ったがやめた。今、こいつに制裁を加えるタイミングではない。とにかく、今は、処理方法を第一に考えるべきだ。
・新人が事故の当事者と警察官と電話していたのはわかっていた。そのため、まず事故の当事者に電話をした。事故の当事者は、ことのほか横柄な態度だった。しかし、それはさておき、とりあえず担当者と会ってもらい、どういう形態で事故になったのか説明を求め、運転手は誰で車はどれで、いつの事故で今後の連絡方法はどうで等々の交渉をするための入口に立つ必要がある。
・午後3時に現場で待ち合わせをすることにした。相手もそれで良いとのこと。そこで、相手から説明を受けた内容を確認し、警察官と携帯電話でやりとりをし、警察が申告を受けた内容と相違ないか確認出来れば、何時間も関係者を待たせる必要はない。事故の相手方が警察官に電話を変わってくれた。警察官もそれで良いということで、後は手筈どおりに対処すれば良い。
・電話を終え、悪田は新人に言った。「物件の担当者となることは、そこて起きた事象を管理組合にかわり処理の代行をすること。少なくとも、今、自分が何をしなければならないかを考えたらどうだ。取り急ぎ、15時の段取りで調整したから、昼をとってきなさい」と言い、その後の必要な手続きをアドバイスした。
・新人は「はい、有難うございました」と言い、コンビニへ弁当を買いに行き、食べて、腕を組んで目をつぶり休憩時間を満喫した。悪田は休憩時間などの感覚をもって仕事をしたことはないので、食事を済ませ、自分の仕事を続けた。
・休憩を終えた新人は、再び「悪田さんちょっと聞いていいですか」に続き「確認ですが、写真を撮ってくればいいんですよね。あと、メジャーで計測してくればいいんですよね。それと、運転手の免許証と保険と車と控えてくればいいんですよね」と言った。
・いちいちめんどくさいヤツだ。しかし、知らないのだから教えてやらなきゃならんと思い、悪田は「そもそも、事故と物損との因果関係を明らかにしに行くんだから、ぶつかった場所と物損程度、車の痕跡が一致するのかを見て来なさい」とアドバイスした。新人はめんどくさそうに聞いている。聞かれる悪田も暇じゃないから、迷惑極まりない。しかし、丁寧に教えてやれとの上司の指示だから仕方ない。
・夕方になって、新人が現場での処理を終え戻ってきた。再び新人からの質問「これからの処理は保険会社が窓口になってもらうとのことなのでそれでいいですか」
悪田「それを判断するのは俺ではなく物件担当者だから、上司に確認してはどうか。少なくとも、理事長には報告した方が良いのでないか」とアドバイスした。
・しばらくして、さらに新人から「ちょっと質問していいですか」「はいどうぞ」「保険会社から電話がありました。週明けには担当が決まるので、これからは保険会社の担当者と示談交渉すれば良いのでしょうか」
・悪田「示談交渉もいいけど、物損程度が出てないから、見積り取らなきゃダメだよね。見積依頼の起こし方分かる?」
・新人「はい、知ってます。これって相見積いるんですか。これって期限はいつまでですか?」
・悪田「相見積ってさ、それは事故の加害者のために少しでも安くしてあげる必要があるからとるんでないの?」「期限ってさ、次の理事会はいつなの?」
・新人「次の理事会はいついつです」「これは発注手続きはいらないんですか」
・悪田「あのさぁ、いい加減にしたら?。箸の上げ下げまでいちいち聞いて来るなよ。少しは自分で考えろよ。」
・新人「ようやく黙る」
・悪田(パワハラ受けたと言われたくねぇと思い)「これさぁ、悪田が研修中に取扱った別な事故の図面と写真なんだけど、こうやって、簡単な図面くらい作れるだろ。それに写真つけて報告すれば、理事役員さんも理解してくれるだろう、参考にしていいから、使えたら使いなさい」
・新人「分かりましたありがとうございます。でも大丈夫です。私は写真一本でまとめますから」
・悪田「あっそ」
・上司が戻り、新人が得意満面に「私が現場で対処してきました。写真をいっぱい取ってきたので、これをつけて理事役員さんに報告します。既に理事長には電話しました。あいにく、奥さんでしたが、報告は完了しています」
・上司「どれどれ。ああ、残念だけど、本来、欲しい写真がないね。写真ってそもそも、何のために撮るか分かってる?」
・新人(面白くなさそうな表情を浮かべながら「ありがとうございました」)
・悪田(こいつは間違いなく「有難いとは思っていない」と確信した)
・悪田は明日から「ちょっといいですか」の質問には、安易に答えないことに決めた。