与えられた知識は身につかない

・自慢ではないが、悪田権三が現職警察官当時、ある所属に4年間在籍させていただいた。当時、多くの部下がいた中で、予備試験に合格した直属の部下の二次試験合格率は、何と100%であった。嘘ではない。100%の合格率だった。

・厳密に言うと、全員、その後の三次試験も無事に合格し、全員昇任したから、予備試験に合格した直属の部下は、全員がワンランクずつ階級を上げ、次のステップを踏んで行った。悪田にとって自慢の部下たちである。

・巡査部長試験と警部補試験限定だ。「確率だけなら、1分の1だろ」と横やりの声も上がりそうだが、残念ながら、ざっくり思い返しただけで、少なくとも6人はいた。1分の1ではなく、6分の6である。ではなぜ、これほど多くの部下が昇任試験に合格出来たかというと、もちろん本人の努力と運、それとちょっとしたプラスアルファーである。

・もちろん今は警察官ではなく、昇任試験の受験生を指導する立場にないので、警察官の昇任試験に関して余計なことは言うつもりはないが、これだけは言える。「勉強にはコツがある」コツを掴まず、ただ、時間だけ費やしても、その勉強には試験合格という目的とは程遠い方向で、余計な知識として身についてしまう可能性がある。

・それも「社会勉強や職業人としての学びの意義としては重要」なことだ。しかし、コツを掴まない勉強は、目標立てて取り組んだ努力が結果に結びつきにくいので非効率的だ。ある目標を立てて、それが「絶対に合格したい」と力を入れられるものであれば、手段ととして効率よく取組むべきだ。それは断言出来る。

・ちなみに、悪田は出来がよろしくない。何かの機会に話したかも知れないが、北海道のド田舎の三流高校しか出ていない。その母校でさえ統廃合され、今は別の学校となっている。かろうじて名残の校舎が残っているだけだ。警察官を拝命した当時、同期生が約120人いた。初任科1年の中での最初の試験で、悪田は117番の成績だった。担任教官に怒られ固い床の上に正座させられ、反省文を書かされた(だが、その担任教官、生涯警部補を貫いたから、悪田は反省文を書かせてやりたい笑)。

・昇任試験合格のコツを掴んだのは、警部になって数年経過し、あるきっかけに宅建試験の勉強に取組んだことにある。恥ずかしながら、これがななかなか受からなかった。合格するまでに5年もかかってしまった。毎日、時間を作って勉強した。当時、仕事においても年間に「本部長賞状2本(団体)」を目標にし、年間、1500キロ走って、フルマラソン出場(サブ4達成)を目指していたから、なかなか体が休まる機会がなかった。

・それでも、それを続けては、不合格の結果に触れて落ち込み、また、気持ちを新たに取組んで、また不合格となりを繰り返し、5回もトライし、ようやく宅建試験に合格することができた。だからこそ、合格した時の喜びは、それこそ言葉では言い表せない。しかし、そこで失ったものも多くある。

・悔しさをバネに勉強をした。おかけで、多くの資格を取得することが出来たが、多くを失った。そういう経験を通じて、試験勉強合格の秘訣を学んだ。それでも、たかがその程度の資格であるが、ここを終着点とはしたくない。これからも常に学びの機会を大切にしたい。

・とろこで、今日、上司がある冊子をプレゼントしてくれた。非常に優れた内容のテキストで、悪田が欲しかった内容が、広く網羅されている。一冊2000円しない程度のものらしいので、管理業務主任者未取得者と実務2年未満の社員にプレゼントしてくれたそうだ。さらに、管理業務主任者未取得者には合格させたいという思いが強く、別に購入したテキストを流用し、今後、定期的な模試を実施してくれるらしい。

・悪田は本の値段を聞いてみたが、近いヒントしか教えてくれなかったので、1500円を差し出したが断られたので、上司の厚意として有難くいただくこととした。

・しかし、余計なことだが、そういう配慮は、せっかくの親心を踏みにじらるおそれのある、部下にとっては迷惑極まりない無駄な行為だと感じた。

・少なくとも、悪田はマンション管理士だ。実務経験2年未満だが、たぶん、来年、2年を過ぎる頃には、その甘い上司の実力を超えたいと狙っている。そのための準備を着々と進め、自分自身の能力向上もさることながら、取引先の実務者とのかかわりの中で関係性を構築し、いずれ、しかるべき時が来た時を見越している。

・おこがましい言い方をするが、管理実務経験豊富なベテランの上司であることは良く理解している。が、彼が上司であるが故に、顧客のクレームに対処を任せ、上司に忖度させ、部下の顔色を窺わせ、それでいて、彼は、休日は家族サービスに奔走し、それこそ、マンション管理士の勉強をしている暇などないことを理解してやるべきだろう。

・その中で、部下のために、頼まれてもいない良書をチョイスし、しかもそれをタダで振る舞い、果たして、そんなものに一体、どれほどの部下が、粋に感じてくれるであろうかと考える。

・悪田なら、付加価値をつけて売る。それをしないなら、結果に結びつかなかった時のペナルティーを宣言する。それで関係性が破綻するなら、配置を見直し、業務の主力から外す。せっかくの親心に報いない、努力のかけらもない社員は害悪を社内に拡散させるから、進退を自分で判断させるくらいの厳しさをもって対処すべきだ。

・とはいえ、そのあたりの甘さが弊社の良いところだ。

・しかも、悪田にとっては、前々から欲しかったたいへんに有難い内容が網羅されている。悪田は上司の気持ちに応え、良い仕事の成果に結び付けようと誓った。もちろん、それは自分自身の能力向上に使うため。だからこそ、本質をよくよく見てから、モノを与えるべきだと思う。

・管理業務主任者資格も、最近は難化している。合格率だけ見れば宅建より下回るが、決して簡単な資格ではない。ただ、弊社の管理員さんも何人かは持っている資格であり、管理員の爺ちゃんだって持っている資格なんだから、フロントマンとしてお客様と向き合ううえでは必須の資格だと心得るべきだ。

・だからこそ、資格は自分の努力で取得すべきだ。仕事は仕事として実務で鍛えることを基本に、やる気のある社員を育成するためには、根本的にことから試練を与えるべきだ。ここで飴を与えることが、果たして本人のためになることなのか。悪田は自身の経験から、それは違うと断言させていただく。

・今年のマンション管理士と管理業務主任者試験の結果を楽しみにしている。

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