・齢55を過ぎたオッサンが、今更、些細なことをほざいても、誰も相手にしないから、一人でつぶやく。
・精神福祉の世界におられる、諸先輩方の「支援者」を自称する実務者においても、目を疑いたくなるような、低レベルな職員が散見されるのが情けない。
・あえて言わせていただく。これは実例の暴露と捉えられてもけっこう。あえて公表しなければ当の本人は気の毒で浮かばれないから公表する。
・でるだけ、多くの方々に知ってもらいたい。
・関係者は自分を含め猛省すべきだ。本来、当事者やそのご家族に謝罪すべきだが、実際には支援者事態が「逆ギレ」している。こちらが、丁寧にご指摘して差し上げたのに、自分にはまったく落ち度がないと言わんばかりの態度だから救いようがない。
・一方、役所のケースワーカーさんは賢い。自分のようなゴロツキに噛みつかれた時を想定しているのか、お役所仕事の要諦たる「危機管理意識」をよく理解しておられる。まだ実務経験三年未満の鼻たれ小僧にお詫びするくらいだから危機意識は感じ取れる。しかし、我々のような末端の零細事業所にしてみれば、お役所の担当CW直々に謝罪をいただくことを謝罪とはとれない事情もご理解いただきたい。
・理由は、この世界、役所の担当者に嫌われでもしたら、それこそ新規案件などいただくことは出来なくなるし、利用者が右肩下がりで減って行けば、それこそ、そこの事業所は終わりを迎える。役人はそれだけ強大な力をもっている。所詮、わが国は官僚中心の社会で成り立っている。
・だから、役人に好かれるように振る舞い、ご本人はもとより、関係各位との良好な関係を維持しつつ、必要な支援を提案し、ときに振り返り、満足度を高め、職員の質を上げ、事業(企業)価値を高めていく・・・これが、我々にとっての成功・成長の流れとなる。
【本題に入る】
・2024年4月某日、ある利用者さんが横浜市から川崎市に転居した。グループホームからグループホームへの転居となる。何でも、いわゆる「居住地特例」という制度があるそうで、本来、拠点となる横浜市から市外へ転居した場合には、新たに市外での福祉サービスを受ける手続きとなるのだが、そこには横浜市でのサービスを受給できる特例措置があるそうだ。今回、こちらは、これを真に受けて大火傷した。
・横浜市でのホームの立地はターミナル駅から徒歩8分、利便性が抜群によく、新興住宅街の中でも申し分ない。市内でも有数な人気スポット。買い物に困ることはないし、都内へのアクセスも極めて良好。築約10年の清潔感のある物件である。
・ところが、この利用者さんには不満があった。「誰も自分にはカマってくれない」という寂寥感である。知的障害と統合失調症を併発している。性格は温厚実直穏健派、かつ、行動的。とにかく外に出るのが大好き。週明けの月曜日には週末の遊び疲れが出てしまうほど。だが、そこが悩みどころでもあった。
・じっとしていることが苦手なので、たまに、夜中に目が覚めてしまい、そこから眠れなくなってしまうと、誰彼構わずメールを送る。受信した側はたまらない。クレームが来て、結局「深夜、早朝にメールを送るのは止めようね」ということになる。本人も納得する。だが、数日後には同様のことを繰り返す。
・で、立地の良いGHでは、職員も他の利用者さんも穏健実直、自分からすれば「なに不自由のない毎日」を送っている。しかし、本人にしてみれば、安定した日々が退屈で仕方ない。だからそれが不自由となる。
・理由は何か・・・「誰もカマってくれないから」と、日々、本人にしか分からない寂しさが込み上げてくる。
・こうしているうたに恵まれた立地や環境を捨ててでも、そこを「出たい」「出たい」を繰り返す。不満のように日夜、計画相談にメールを送る。面談でも不満を述べる。とにかくここを出たい、何年もそういう言を繰り返し、遂には、計画相談も根負けして、本人の意を汲んで転居に向けた取組みをはじめる。
・立地は最悪、陸の孤島のような場所。バス便がかろうじてあるも、本数は少なく、何よりも信じられないくらいの「地獄の坂」があり、一度、コンビニに買い物に出ようものなら、帰宅は容易ではない。自分同様に50代半ばのオッサンであることを考慮すれば、この選択はあり得ない筈。だが、やらかしてくれた。
・だが、新築の建物を内見させれば、本人は「良い」と言う。そりゃいいに決まっている。新築で泊まりの職員も常駐で本人のニーズに適っているのだから。こうして2024年4月に入居が開始された。
・「横浜市外への転居となりますが、引続きうちのサービスは受けられるのでしょうか」「まったく問題ありません、いわゆる特例が適用になります」とのご案内。こちらも、毎日、通ってくれる利用者さんが、転居後も引続き通ってくれるならと、まずは一安心と考えた。
・ところが、事前の予想どおり、本人は陸の孤島からの通所がたいへん。毎日のように「あんなところに引っ越すんじゃなかった」「よくよく考えないで決断してしまい後悔している」などと不満を漏らす日々が始まった。
・しかも、極めつけなのは、年度末で通所者の実績をとりまとめるに際し、監督官庁から「横浜市外の通所は認められません」「通所者として助成対象外であることを明記し、4月からの通所分を除いて修正して下さい」との連絡かくる始末。遂には、当事業所でご本人に福祉サービスを提供した約10カ月の努力は霧消となった。
・いわゆる「GHの特例など、そんなものは通用しない」との回答。こちらは地活、GHとはそもそも立ち位置が違う。結局、当方の約10カ月に及ぶサービスは完全なボランティアとなった。しかし、何よりも、日中活動場所として楽しい毎日を過ごせていた本人にとっては、この先、ここに通っても意味がない、自分の居場所はここにないということを、いきなり知らされる結末となった。
・ワタクシは、ご案内のとおり、きれいごとを口にしない性格であるが・・・・。さすがに今回は呆れた。
・県警に長らくお世話になって参りましたにもかかわらず、本ブログを立ち上げたことは、立上げ当初より「県警の恥」「後ろ足で砂の犬にももとる」などの批判を受けてきた。
・しかし、この悪田が、何事にも積極果敢に取組んで実践してきたことは、多くの同僚の意識付けともなり、先日、ある同期生からも「辛い時は悪田権三のブログを見る」と温かいお言葉をいただいた。このように悪田の人生は辛かったけど「結果オーライ」で救われたことがほとんど。逆に努力が足らなかった時には、猛省せざるを得ない場面もたくさんあった。
・「仕事に手を抜いてはいけない」という教えを忠実に守ることで、警察の仕事をDNAとして自分に刷り込み、それが治安を預かる者としての矜持であると心得ていた。それは、プロとして、それで「メシ」を食っているのだから、治安秩序を預かる者として県民生活の安全を守ることは当然の責務と考えて警察官をやらせていただいた。それが自分の生きざまと考えていた。
・しかしそれは、福祉の世界では通用しないことを、今回、痛烈に感じた。
・今日、ご本人にとっては、たぶん最後となるであろう散策に行ってきた。
・満開とはいかないまでも、桜の木の下でいっぱい写真を撮ってきた。去年の春は靖国神社に行った。
・今日は、広大な大地の花畑に、大小、多くの花が咲き乱れていた。暖かい春の陽気の中、のんびり穏やかな午後を皆で楽しんだ。
・目的地に向かう道中、折しも別の利用者さんが、以前に皆で行った散策の思い出を楽しそうに話してくれた。「あの時は楽しかった」「この時はこんな経験をした」など。しかし、今回、当事者は、ずっとうつむいたまま黙っていた。
・自分としては、支援者の一人としご本人にお詫びするしかない気持ちで、今朝、面談を行った。
・そこでご本人に本心をお尋ねしてみた。ご本人いわく、本心は「ピネルをやめたくない」「しかしどうしてよいか分からない」と涙ながらにおっしゃっていた。