コーンの香り

・犬を飼っている読者ならお分かりだろうが、肉球を嗅がせてもらうとコーンの香りがする。理由は分からない。犬は人間と違い、汗をかかないから発汗作用との関係性で、そういう匂いなのかも知れない。

・この点に関しては、ドッグフードを餌にしている犬と、そうではない犬との違いがあるかも知れない。あるいは、違いはないかも知れない。出来れば、こういう研究を続けている人がおられたら、是非、研究結果を悪田にも教えてほしい。

・小型・中型犬を飼うと、定期的に肛門腺を絞ってやる必要がある。あれは犬の肛門嚢に溜まった膿を抜いてやる作業だ。その臭いは、釣りの時に撒く「オキアミ(コマセ)」のような臭いは強烈だ。

・こちらは、匂いでなく臭いだ。そもそも、何のために、あんな臭い膿をためているのだろうと不思議に感じる。こちらも、ネットで調べれば、容易に答えは出てきそうだが、ネットで検索した情報を、わざわざブログに記載するのも芸がないので、今度、知り合いの獣医さんに聞いてみたい。

・ネットでは容易に検索できないネタを書く。あるいは、問題提起をする。意外と分かっていそうで、実は分かっていないこともあるだろうから、この機会に多くの方が関心を持ってくれれば幸いだ。

・ホームレスは夏と冬、どちらが臭いがきついかお分かりか。断然、冬である。ことさらに自由に生きている人たちのことを小馬鹿にするつもりはない。真剣だ。事実を言っているし、その理由を突き止めたい。冬のホームレスの臭いは強烈だ。悪いことをして身柄を取られるホームレスがいる。夏場はさほど問題にならないが、冬場は気をつけないと留置場内で暴動が起こりそうになるくらいの臭いを発する。それくらいきつい。なぜか。水が冷たいから、冬は体を洗わない。だから臭いと言われているが果たしてそうか。

・不潔な環境下で生活している彼らが、身柄を取られると、留置場内でインフルエンザにかかったりする。それはなぜなのか。理論的に矛盾しないだろうか。そこは、雑菌の少ない衛生的な環境が、かえって元々、個々に持っていた抗体を弱らせるからではないかと言われている。

・悪田はこのあたりの、常識と言われている考え方を疑わしいと考えている。悪田の推理はこうだ。

・元々、人には免疫力があって、劣悪な環境下でも耐えうる抵抗力を持っている。ところが、衛生的環境の中で、日々、平穏無事な環境に置かれると、漫然と気持ちが緩んでしまう。一方で、例えば福井県で有名な禅寺のように、栄養も満足に与えられず規則やら規律やらに、がんじがらめに縛られると、体には栄養が足りないが、精神的には、病気と戦おうという指令が脳から出される。それが抵抗力となる。栄養不良で「かっけ」になるくらいの質素な食事の中、命がけの修行を続けると、無意識の中で生きようとする指令が脳によって出され精神力が鍛えられる。

・そこは「来る者は拒まず、去る者は追わず」の世界だから逃げ出すことも可能だが、すぐに逃げ出してしまうと、その先の道が絶たれてしまうから、自分自身との戦いとなる。限界の中で己の心の葛藤の積み重ねで、結果、強い精神力を鍛えられる。やり遂げた充実感は人を大きくする。

・人は常に集団の中で生きている。

・警察の留置場も集団生活である。同房の被留置者とそつない人間関係を築くことは、簡単なようで実はたいへんなことだ。お互いに事情があって、特に、言えない事情を抱えている人にとっては、話したくないこと、人に知られたくないことも多い。

・例えば、女性の下着を盗んで身柄を取られた場合、同房の者にそれを話すことは恥ずかしい。しかも、女性の下着を身につけていると、間違いなくネタにされドン引きされる。社会的地位の高い人も、悪いことをするとパクられる。

・同房の暇な小僧に「おっさん何でパクられたの?」と聞かれると、それは本人にとってストレスとなる。言える話であればいいが、逆であることが多い。しかし暇な連中にとっては、それがネタになる。困っている人のリアクションを楽しんでいる(らしい)。

・試しに自分がパクられたことを想定して考えみる。たぶん悪田なら「同僚の飯に毒を盛った」と話す。人が困り苦しんでいる姿を見るのがやめられないから、出たらまたやると話す。たぶんそれで、暇な同房者とは円満な関係が構築される(筈)。

・房の中にいる人たちは、皆、外に出た時を夢見て、出た時を想定してうずうずしている。下界と遮断される時間が長くなると、それまで、とげとげしかった不良連中も、だんだんと丸くなってくる。どんなに留置場の中でイキがっても、ヤクザでもギャングでも、これから先の未決(拘置所)や、懲役(刑務所)が警察の留置場のような甘い世界でないことを知っている。

・留置場にはストレスがたくさんある。特に人との接触を拒み続け、長い間、誰にも気兼ねなく生きてきたホームレスにとっては、留置場の人間関係は苦痛そのものだ。人づきあいが苦手だから、風の向くまま気の向くままの生活をしていたのに、ある日を境に、ルールに縛られ、面倒くさい、暇人達に配慮し・・・などは苦痛以外に何ものでもない。

・それが免疫力を著しく弱らせ、細菌に感染しやすくなってしまう原因ではないかと悪田は考える。あくまでも仮説だ。

・犬の祖先は「オオカミ」だ。狼と犬の違いは、前者が野生動物であるのに対し、後者は人為的に交配させられて作られた。そして人になつくよう調教されている。

・そもそも、犬は血統としては狼と同種であっても、中身は違う。

・狼の中から、ある特定のDNAを持った、人に敵対しない種を集め、その種を交配させ、それを繰り返して交配を重ね、いつの間にか、人間に従順な種が誕生する。それが犬となって人と共存するようになった。今はペットとして家族同様な扱いを受けているが、そもそも、人の利便のために作られた造作物だ。

・もしかすると、肉球のコーンの香りは犬と狼によって違うかも知れない。

・はたまた、冬のホームレスの臭いも、もしかすると、人の生命力の根幹にかかわるある種のシグナルなのかも知れない。犬の臭気識別能力は、マックスで人間の一億倍と言われている。しかも、犬は腐敗臭が大好きだそうだから、もしかするとホームレスの放つ異臭は、犬との関係性でベストマッチするかも知れない。

・このあたりのメカニズムが解明されることで、生き物のストレスと免疫力、さらに臭いの関係性が解明されるのではないかと期待している。

・今日、不思議と犬の臭いがマスクの中で鼻をついていた。同僚に話したら蓄膿症ではないかと言われた。

・それではあまりにロマンがなさすぎるから、これらの関係性について思慮を巡らせてみた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA