・警察官を拝命すると、その日から「日本共産党は敵だ」との教育を叩き込まれる。そこに正義があるかどうかは、悪田権三は勉強不足なので、実は良く分かっていない。
・日本共産党は、綱領の中で、マルクス・レーニン主義を理論展開し、同根幹を理念とすることを党の方針としている。また、いわゆる「敵の出方論」に基づく暴力的革命主義を堅持し、革命に流血を伴うか、穏健的に行われるかは、すべて敵の出方にかかっていることを表明している。
・それを段階的に敢行し、共産党主導の政権樹立を目指すんだそうで、ここで言う「敵」というのは警察や自衛隊を指すそうだ。消防は使う車が赤いから同盟関係と見なしているかも知れない。また、海保や労基、はたまた国税や営林署などの、いわゆる別の執行機関である「署」業はどうなのか。興味のある方は、是非、日本共産党事務局にお問合せいただき、その結果を悪田に教えていただきたい。ちなみに「署」と「所」の違いは、前者は捕らえる・糺すといった意味がこめられている。自衛隊は「署業じゃないだろう」というご意見があるかも知れないが、彼らの組織内には「警務隊」という司法警察員が第一次捜査権を持っているから、立派な署業だ。
・日本共産党を警察が視察対象としていることを鑑みると、それは、どの時代においても政治の力があるからと気づかされる。昭和50年代のある国会答弁で、共産党からの質問に対し、当時の偉い役人がそんな答弁をしたそうだ。「おたくらはMM主義だから、これからも協力いただける方からは協力いただく」と。公安警察部門では、それを「作業」と呼んでいる。上手に共産党のシンパを取り組むと能力が認められ賞揚されるが、逆に下手を打つと「作業事故」を起こしたと評価され、以後、公安部門の主要な業務から外されて冷や飯を食わされてしまうと、悪田の元上司が嘆いていた。
・日の丸版「諜報謀略活動」も簡単ではない。改めて「悪田はバカな刑事で良かった」と思いを巡らせた。天下国家の諸事情に翻弄されることなく、事件事案に対峙し、市民に寄り添いながら、負託に応えれたことを幸せだったと感じている。なお、諜報活動のノウハウは、世の中の営業活動のあり方に酷似しているので、今後、マンション管理のフロント業と絡め、読者諸兄に分かりやすく解説していくので、是非、楽しみにしていただきたい。
・我が国は良くも悪くも資本主義社会、そこに政治的意向が組み込まれていくのは、世間の条理というものだ。政治世界の気圧配置は、季節の変わり目の天気図のように、案件ごとに、時に荒れた様相を呈するものだから、危機が迫った時に十分な対応が出来るようにしておくことが肝要で、これこそが「危機管理」と呼ばれ、有事に備える準備は非常に重要だ。
・わが国の主要な鉄道事業をつかさどる某事業者の労働組合のひとつに、日本共産党以上に革新的思想を持つ団体の組合事務所が存在する。往年のアイドル「桃色淑女」が、当時、後に国民栄誉賞を受賞した左利き打者をイメージし、選手と対峙した際の左腕投手をモチーフに心の葛藤を熱唱した。
・悪田はこれを、極左の歌と呼んでいて、彼ら「左利き諸君」の悲哀をイメージした名曲だと評価している。
・悪田が県警鉄道警察隊に所属していた当時、隊の拠点として使用させていただいた場所は、横浜のある一等地で、鉄等事業者からの厚意により、無償で使わせていただいていた。
・その拠点からほど遠くない場所には、いわゆる「サウスポー諸君ら」の拠点があって、当時はよく、うちの若い衆たちに苦言を呈していただき、愛情をもって鍛えていただいたことに感謝していた。まあ、実際の内容は「警察官の制服を着てうろつくな」とか「ゴミの分別がどうだ」とか程度の苦言だったが、たぶん、死んだドⅯクスの遺言なのだろう程度に考えた。とにかくサウスポーサウスポー選手諸君らのおかげで、実に良い勉強になった。
・期待しつつも、残念ながら、諸君らからMM主義を学ぶことは出来ず、悪田の部下の中に、わずかにドMに転身したのがいた程度だったから、若い衆らも、いわゆる「サウスポー」と色眼鏡で見られている諸君らが、実は、世界同時革命・民族民主統一戦線実現のためにゴミの分別が欠かせないと認識し、これを実践しているということを肌で学ぶきっかけとなったかも知れない。
・エゴイズムがはびこる組織の中において、とにかく「原発ゼロ」「憲法9条改悪阻止」「差別社会の根絶」といった崇高な目標を掲げる、世迷言は、一生聞き続けても飽きないほどのスローガンであるが、これほど説得力のない迷言は、自分以上の世間知らずが世の中に存在することを知らせてくれる、ド阿呆がいるという安心感へと繋がった。
・当時の上司であった悪田は、このあたりの機微を知らず、不勉強だったため、プラスチックごみとペットボトルごみの分別のノウハウを知らなかったから、日共と極左の違いさえも隊員らによく教育できず、迷惑をかけてしまった。が、諸君らのおかげで、現場の隊員が多くを学ぶことができたきっかけを与えていただいたことを、この場を借りて感謝申し上げる。
・あるマンションの管理員に凄い能力を持った男性がおられたが、先月、惜しまれながらご勇退された。何が凄いのかって、とにかく凄い。住民のために何でもやる。住民が困っていることを先回りしてやる。人にものごとを頼む前に自己解決を図る。一例を挙げるとマンション内の照明はどこにどういう種類のものがいくつあって、その電球を直近で変えたのがいつで、ここの設備が壊れそうだから自分で直したのを記録化して、データ化している。台風や地震の際は、マンションに駆け付けて住民の安否を確認し、普段は、愚痴の文句も自慢も口にしない穏健派であるものの、「オレが言った時はすぐにやってね」を口癖にする、まさにスーパー管理員であった。
・その管理員がお手上げの案件は対処不能だから、すぐに対処しないと叱られる。とにかく難題が後手に回ってしまうことを毛嫌いする人だったから電話をもらった時には緊張感が走った。悪田とのつきあいも、1年ちょっとの短い間だったが、居住者ニーズを掴むための要諦や、危機管理意識などいろいろな局面において、実に良い勉強をさせていただいた。
・スーパー管理員さんが退職の日を迎える直前に「竣工以来、約15年間使用しているエアコンがそろそろダメだから変えて欲しい」との依頼があった。夏本番となるこの季節は、空調設備が完全にダメになると、時期によっては一カ月以上待たされることも珍しくないから、早めに対処しなければならない案件だった。
・理事長に事前相談したところ「見積りをとって下さい」と指示があった。ところが、「心の通う管理会社」の出した見積りを見ると、信じられないくらいにやたらと高額だ。恥ずかしくて金額が言えない程の価格だ。こんな金額の見積りを理事会に提出したら、その先はどうなるか、日の目を見るより明らかである。
・折しも、新管理員が入れ替わり、その第一声は「管理室のエアコンがきちんと使えるように点検しておけ」であった。これは内輪のやりとりだが、組合員さんには絶対に言えないことだ。弊社管理のマンションの中には、エアコンがないマンションの方も多く、むしろないのが当たり前。場所によっては管理員室はおろか、トイレすらないマンションもある。そういった場合、どうやって用をたすのかというと、近くのコンビニにお願いして借りるしかない。かつて、川で「立ちション」して、住民に通報されて解雇された管理員さんもいたらしい。
・管理員に作業をするための良い環境を提供してやるためには、普段からの信頼関係情勢が肝心だ。管理会社の一員として、自らに与えられた責任をまっとうし、居住者のために自分の努力で何が出来るのかを考え実践する。口で言うのは簡単だが、それを実践するというのは、実は大変なことである。
・本日、悪田はお休みをいただいたが、某家電量販店にお伺いし、お見積りをいただいた。はじめての経験だったが、家電量販店でも機器の見積りが取れることを知った。しかも、ものの10分で笑、ある管理会社より心の伝わり方が、新幹線お望み号並の速さであることに度肝を抜かされた。
・マンション標準管理規約(単棟型)第16条第2項には「前項に掲げるもののほか、管理組合は総会の決議を経て、敷地及び共用部分等(駐車場及び専用使用部分を除く)の一部について、第三者に使用させることができる」との規定がある。実はこれが、管理会社が管理員のために、管理員室を使用させていただく根拠となっている。
・前述の鉄道警察隊と同様に、事業活動のために拠点を無償で使わせていただいていることの背景に思いを巡らせると、そこには、事業者に求められる期待感の現れを感じる。
・根本的に主義主張や価値観すら相容れない革新的勢力でさえ、施設に警察が拠点を置くことで得られる、利用者の安全・安心を理解している。だからこそ、ほんとうは顔も見たくないであろう警察官にゴミの分別を指導し、社会常識として厳正に守らねばならない原理原則を厳しく、愛情を持って指導してくれたのであろう。
・マンションの管理員室も同様である。管理員室はマンションの顔と言われるエントランスの脇に設置されているのが通常だ。そこに勤務させていただいている管理員こそ、まさにマンションの顔だ。管理会社にとっては、待機場所の提供だけでも有難いことなのに、熱中症対策のためのエアコンまで設置していただけることは、恐悦至極に有り余る。
・良い機会なので、新管理員にも、おってそのあたりの意識付けを図り、住民目線に立った業務が情熱をもって行われるよう、橋渡し役となっていきたい。